東京大学公共政策大学院にて社長の武内紀子が講義

2026 年5月19日、東京大学公共政策大学院の交通・観光政策研究ユニット「観光政策Ⅰ(基礎編)」(担当:篠原康弘客員教授、三重野真代特任准教授、大橋弘教授)の「観光マーケット論」において、株式会社コングレ代表取締役社長の武内紀子が講義を行いました。

東京大学公共政策大学院の交通・観光政策研究ユニット「観光政策Ⅰ(基礎編)」とは

東京大学公共政策大学院の交通・観光政策研究ユニット(TTPU:Transport and Tourism Policy Research Unit)は、日本および世界を取り巻く社会経済情勢を踏まえ、交通政策および観光政策に関する知識創造を図り、新たな政策形成を促すことをミッションとしています。
このミッションのもと、TTPUは「国際交通政策」「地域交通政策研究」「観光政策Ⅰ(基礎編)」「観光政策Ⅱ(実践編)」の4つの講義を開講しています。
その中核科目の一つである「観光政策Ⅰ(基礎編)」は、観光を21世紀の日本経済を牽引する成長産業、および地方創生の有効な手段と捉え、その多様な側面を総合的・体系的に理解することを目的とした専門科目です。

「MICEビジネスによる地域活性化・社会貢献」

武内は「観光政策Ⅰ(基礎編)」の「観光マーケット論」の講義において「MICEビジネスによる地域活性化・社会貢献」をテーマに、MICEを都市の課題解決と成長を促すプラットフォームと捉え、以下の3つの視点から事例を交えてお話ししました。

  • 観光の高度化への寄与:観光産業におけるMICEの役割を整理し、MICEの開催が消費額の増大や需要の平準化を促すことで、開催地へ高い経済波及効果をもたらし、観光の質的向上に寄与する点について解説しました。

  • 国際会議を通じたプレゼンス向上:大規模な国際会議のケーススタディを用い、開催がもたらす政治・外交的意義や次世代へ継承すべきレガシーの重要性を提示。あわせて、開催時に求められる環境配慮の具体的な取り組みについても紹介しています。

  • MICEを通じたまちづくり:施設を核とした地域開発や新産業の育成など、行政と民間が一体となって進める都市戦略のあり方を当事者としての視点から紹介し、MICEが地域活性化において果たす役割と今後の可能性について説明しました。

大学院生の皆さんには熱心に聴講していただきました。質疑応答の時間には、国際会議の現場における演出や合意形成のプロセス、地方都市での施設開発と地域活性化のあり方など、公共政策を専攻する学生ならではの鋭い視点から多数の質問が寄せられました。
今回の講義が、公共政策としてMICEをいかに活用していくのか、受講生の皆さんの知見を広げる一助となれば幸いです。

受講生の感想

受講生のレポートから一部抜粋したコメントをご紹介します。

MICEの推進は、観光とは異なるコンテンツの価値を創造し、目的地としての日本にさらなる付加価値を加える。訪日に対するインセンティブを強め、訪日客の高付加価値化や高頻度化を促進していく上で重要な要素になると感じた。

オンライン化が進む今も存在感を拡大しているMICEは、対面の集まりがいついかなる時代でも重要であることを示している。そうした場において、滞在者が快適に満足して過ごせるような環境づくりは非常に意義あるものであり、求められるものなのだということを再確認した。

今後の日本に求められるのは、MICE を単なる観光政策にとどめず、大学・産業・都市政策と結びつけ、地域の知的交流と経済成長を生み出す政策へ発展させることであると感じた。

長崎や大阪の事例では、MICE 施設が人材育成、産業振興、スタートアップ支援、医療イノベーションの拠点として機能していた。MICEの価値は『人が集まる場』をつくることにとどまらず、異分野の人々が出会い、新しい価値を共創する土台を整えることにあると感じた。今後は、地域にどのような知識・関係性・誇りが残るのかという視点を大切にしていきたい。

日本の地方MICEは、高級ホテルや民間施設の集積だけによって成立しているのではなく、大学、学会、自治体、コンベンションビューロー、JNTO が連携し、大学施設、公的会議場、既存ホテル、ユニークベニューを組み合わせることで成立しているといえる。地方自治体にとっても、MICE は会場単体の利益ではなく、宿泊、飲食、交通、観光、都市ブランド、研究交流を含む地域全体の波及効果を期待できるため、助成金や人的支援を行う合理性があるのではないだろうか。

仕事の面白さ・やりがいというところで、武内社長が「ダイレクトに社会貢献ができる」とおっしゃっていたのがとても印象に残った。