「第11回平和首長会議 被爆80周年記念総会」が出島メッセ長崎で開催されました
2025年8月7日~10日、「第11回平和首長会議 被爆80周年記念総会」が出島メッセ長崎 (JR長崎駅直結) で開催され、株式会社コングレは運営業務全般を担当しました。
会場となった出島メッセ長崎は、コングレが指定管理者の構成員としてMICEの誘致と施設の運営を担当しています。PCO(Professional Congress Organizer)としての会議運営と指定管理者としての施設運営の両面から、本総会の成功をサポートさせていただきました。

平和首長会議とは
平和首長会議は、1982年に当時の広島市長が、国連において、世界の都市に国境を越えた連帯と核兵器廃絶に向けた協働を呼び掛けたことを契機に設立されました。当初、広島・長崎の2都市のみであった加盟都市は、現在、世界166か国・地域の8,500を超える都市へと広がり、世界最大の平和都市のネットワークへと発展しています。
本総会のテーマ「核兵器のない世界を目指して ~ 地球市民として描く平和な未来 ~」
被爆80年という歴史的な節目に開催する今回の総会は「核兵器のない世界を目指して~地球市民として描く平和な未来~」を基調テーマに、加盟都市のうち15か国・139都市から78名の首長を含む228名の参加者が集いました。
8日は、開会式のほか、国際連合大学学長・国際連合事務次長 チリツィ・マルワラ氏の基調講演や、日本原水爆被害者団体協議会代表理事・長崎原爆被災者協議会副会長 横山 照子氏による被爆体験証言がありました。


8日から10日の会議では、「核兵器のない世界を目指して-都市の役割-」「安全で活力のある都市の実現」「平和文化の振興」などをテーマに活発な議論が行われました。最後に全体総括が行われ、核兵器廃絶への決意を示す「ナガサキアピール」が採択されました。


本総会の中で開催された「第13回国内加盟都市会議総会」では、核兵器廃絶に向けた取組の推進について審議が行われ、日本政府に対する要請文が取りまとめられました。
また、会期中には平和祈念式典への参列や、長崎原爆資料館・国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の視察および献花も実施されました。
未来を担う子どもたちとの交流
国際会議では、次世代育成につながる取り組みを実施し有形無形のレガシーを創出することも、重要な開催意義の一つです。
本総会でも、開会式や閉会式、そして展示ブースなどで地元の小中学生の方々に参加いただきました。
開会式では、中学生15名によるハンドベルの演奏がありました。その中の一曲「千羽鶴」は、被爆50年に作曲されたもので、原爆の悲しみや犠牲者への慰霊、平和への願いが込められています。世界平和を、そして参加者の皆さまが心穏やかな時間を過ごされることを願いながら、この演奏をお届けしました。

会期中に設置した自治体やNGOの展示ブースでは、海外からの参加者に向けて、長崎市内で英語の勉強に励む「中学生平和Englishリーダー」たちによる展示ブースの案内などが行われました。

閉会式では、二つの小学校による合同合唱団が登場しました。低学年から高学年まで、総勢31名の児童が「アヴェ・マリア」や「クスノキ」の歌を披露し会場を魅了します。最後は首長たちもステージに登壇し、子どもたちとともに「幸せなら手を叩こう」を全身で表現しながら、会場一体となって音を奏でました。

SDGsの取り組み
本総会では、SDGsの企画も取り入れています。
フードロスを回避するため、昼食は食事制限など事前にアンケートを取り、ハラルやグルテンフリーにも対応したお弁当を手配しました。


コングレスバッグやネームストラップは、回収されたペットボトルなどから作られた再生PETポリエステル生地を採用。バッグには、平和首長会議が実施した「こどもたちによる"平和なまち"絵画コンテスト」の作品をプリントしました。

Team Nagasaki万全の運営体制
当社はPCOと施設運営事業者としての両方のノウハウを活かし、参加者が会議に集中できる環境を整えました。
そして、長崎国際観光コンベンション協会(DMO NAGASAKI)を中心とした地元のホテルや事業者、株式会社JTBグローバルマーケティング&トラベルの皆さまと協力し、チーム長崎として一体となった運営を実現いたしました。

本総会で採択された「ナガサキアピール」と「第13回国内加盟都市会議総会」で採択された核兵器廃絶に向けた取組の推進を求める要請文は、会期後、日本政府へ提出されました。
このような意義深い国際会議の運営に携わることができましたこと、関係者およびご協力いただいた皆さまに改めて感謝申しあげます。