「第112回日本泌尿器科学会総会」が開催されました
主催校の開講100周年と地域連携で展開された多彩な企画
2025年4月17日~19日、「第112回日本泌尿器科学会総会」が福岡コンベンションセンター(福岡国際会議場、マリンメッセ福岡、福岡サンパレス ホテル&ホール)で開催され、株式会社コングレは企画運営を担当しました。
一般社団法人 日本泌尿器科学会は、明治時代に設立された大変長い歴史を持つ学会で、現在の会員数は10,000人を超えています。本総会の主催校を九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野が務めるのは、2006年の第94回総会(大会長:内藤 誠二 名誉教授)以来、19年ぶりです。
今回の総会には約6,000人が会場に集い、各プログラムでは研究成果の発表や活発な議論が行われました。また、開催地・福岡の魅力を発信する企画や、主催校の開講100周年を記念した特別企画などを通じて、参加者同士の交流も深まりました。オンデマンド配信終了後には総参加者数が7,000人を超えるなど、大盛況のうちに幕を閉じました。


本総会のテーマ
「次の100年に向けて、Aiming toward the next 100 years of urology」
本総会のテーマは「次の100年に向けて、Aiming toward the next 100 years of urology」です。
江藤 正俊 大会長(九州大学大学院医学研究院 泌尿器科学分野 教授)は、テーマについてこのように述べられています。
「今回の総会を開催させて頂く2025年は、私どもの九州大学医学部泌尿器科学教室の創立101年目の年に当たります。これよりこれまでの100年にわたる当教室での泌尿器科疾患に対する研究や診断、治療の歴史をすべて振り返って、次の100年に向けて泌尿器科医療をどのような方向性を持って進めていくべきかを皆様と議論する会にできればと考え、このテーマとさせて頂きました」
本総会では、シンポジウム、パネルディスカッション、ディベート、海外セッションに加え、フリーアナウンサーやジャーナリストによる文化人講演など、多彩なプログラムが実施されました。さらに、本総会のテーマに沿った「総会校企画」として、「AI」「創薬」「医工連携」などをテーマに、"次の100年"を見据えたセッションも多数行われました。
100周年記念企画
当社は PCO(Professional Congress Organizer)として、主催校の開講100周年を記念した特別展示や演出など、本総会のテーマ「次の100年に向けて」に沿った企画をご提案しました。
特別展示
医療機器メーカーや製薬企業のブースのある展示会場の一角に、開講100周年記念の特別展示を設けました。入り口に設置した九州大学の「医学部正門」を模したゲートを進むと、開講以前の歴史や初代教授から第6代教授である江藤大会長に至るまでの足跡を記したパネルをご覧いただけるコーナーです。日本人の参加者はもちろん、海外参加者も興味深そうに見入っていました。


フォトスポット
博多港に面した福岡国際会議場のガラス窓を活用し、本総会のメインビジュアルと、約100年前に造られた九州大学の正門のイラストを背景に撮影できるフォトスポットを設置しました。本総会の思い出や美しい風景を記録できる"映え"スポットとして、参加者に大変好評でした。

開催地 九州・福岡の魅力を発信
江藤大会長は、19年ぶりとなる福岡での開催にあたり、参加者の皆さまに充実した学びの場を提供するだけでなく、食を通じて福岡の魅力も感じていただきたいという想いをお持ちでした。当社はその想いをかたちにすべく、地域の魅力をお届けできるよう、様々な企画を通じてサポートしました。
九州・福岡おもてなしグルメコーナー
会場内には、福岡をはじめとする九州各地のグルメを楽しめる、軽食とスイーツの2種類のおもてなしグルメコーナーをご用意しました。
軽食コーナーでは、糸島グルメの生たこ焼きや博多もつちゃんぽん、長崎名物の佐世保バーガー、クラフトビールなどが日替わりのキッチンカーで提供され、大変な賑わいを見せました。
スイーツコーナーでは、福岡県太宰府市の名物「梅ヶ枝餅」の実演販売をはじめ、博多の洋菓子店「チョコレートショップ」の生チョコや博多名物「西通りプリン」など、福岡を代表する銘菓を取り揃え、国内外の参加者から大人気でした。


渾身の懇親会
参加者同士が交流する懇親会では、常に行列が絶えない人気店「博多らーめん Shin-Shin」や、合計250kgのアラ(クエ)をふんだんに使った料理などが提供されました。さらに、ホテルニューオータニ博多とホテル日航福岡の競演による、福岡の食材をふんだんに使用した豪華な料理で参加者をおもてなし。どの料理ブースも行列ができるほどの盛況ぶりでした。
また、当日までシークレットだったサプライズゲストとして、福岡出身のお笑いコンビ 博多華丸・大吉のお二人が登場しました。江藤大会長とお二人による「江藤教授の泌尿器科相談クリニック」と題したトークショーが行われ、会場は笑いに包まれました。




市民公開講座
医学系の学術総会の開催においては、市民への情報発信も重要な取り組みのひとつです。
会期後の6月8日、「前立腺がん 予防・診断・治療の最前線!」をテーマに市民公開講座が開催され、多くの一般市民が参加しました。現在、前立腺がんは、日本人男性において罹患率が最も高いがんとされています。
本講座の第1部では、主催校 九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野の3名の先生方が、診断や治療に関する講演を行いました。
第2部では、前立腺がんの闘病経験を持つ演出家 宮本 亞門 氏をお迎えし、「上を向いて生きる~前立腺がん体験後の人生訓~」をテーマにご講演いただきました。参加者は、がんを克服した体験談に熱心に耳を傾けていました。
江藤 正俊 大会長のコメント
総会を開催させていただいた2025年は、私ども九州大学医学部泌尿器科学教室の創立101年目の年に当たりました。そこで総会テーマを「次の100年に向けて、Aiming toward the next 100 years of urology」とし、日本泌尿器科学会の領域部会の先生方をはじめ、教室員一同、学会事務局の皆さん、そしてコングレの皆さんに協力いただき、準備を進めてまいりました。おかげさまで全国から多くの皆さまにご参加いただき、非常に実りの多い議論が各会場で進められ、大会長として、たいへん満足しております。
また、今回は久しぶりの福岡における開催でしたので、全国からお見えになられる皆さま方へのおもてなしにも注力いたしました。会員懇親会やグルメコーナー、またコングレスバッグや100周年記念展示など、コングレさんからもたくさんのアイデアを出していただき、福岡らしさや主催校らしさを発揮することができました。
本総会の準備は2023年7月のキックオフから始まりました。この間、当教室では、開講100周年記念式典や日本泌尿器腫瘍学会第10回学術集会の準備も並行して行っておりました。これらを含め、2年弱の期間を伴走してくれたコングレの皆さんには、様々な側面からサポートをいただきましたこと、改めてお礼申し上げます。