「第98回日本整形外科学会学術総会」が開催されました
スポーツ界の特別ゲストによるセッションや親善スポーツ大会も実施
2025年5月22日~5月25日、「第98回日本整形外科学会学術総会」が東京国際フォーラムおよびJPタワー ホール&カンファレンスで開催され、株式会社コングレは企画運営を担当しました。
ハイブリッドで開催された本総会には、約13,680名が参加登録し約8,320名が会場に集いました。27名の海外招待者による講演も行われ、国内外の整形外科医療関係者が一堂に会して、熱気あふれる議論が繰り広げられる場となりました。

北海道大学の緑豊かなキャンパスをイメージした舞台装飾

Lofty Ambition -高邁なる大志を胸に-
本総会のテーマは、札幌農学校(現北海道大学)の初代教頭 クラーク博士が唱え、北海道大学建学の理念ともなった「Lofty Ambition -高邁(こうまい)なる大志を胸に-」です。
岩崎 倫政 会長(北海道大学大学院 医学研究院整形外科学教室 教授)は、テーマについてこのように述べられています。
「現在、AIやIoTをはじめとするテクノロジーの驚異的な進歩、そして医師の働き方改革など、医学・医療の世界は大きな変革期にあります。この混沌とした時代だからこそ、私たち医学・医療従事者は、「Lofty Ambition」を胸に研究、診療、そして教育に取り組む必要があるという思いを、このテーマに込めました」。
スポーツ界から特別ゲストを迎えたプログラム
本総会では、テーマ「Lofty Ambition -高邁なる大志を胸に-」に沿って、この理念を体現されてきた先生方によるセッション「Ambitious Lecture」や、次世代を担う若手整形外科医を対象に研究の進め方から海外学会での発表、論文作成までを学ぶ「Lecture for Next Generation」など、多彩なセッションが実施されました。
整形外科は運動器を扱う専門分野であるため、日本整形外科学会にはトップアスリートやプロスポーツチームのドクターを務める医師も多く所属されています。今回は、岩崎会長や北海道大学とのご縁を通じて、スポーツ界から特別ゲストをお招きするプログラムも実施されました。
文化講演では、公益財団法人日本サッカー協会 名誉会長の田嶋 幸三 氏が「世界を目指す日本サッカー ~世界に通用する組織と若手育成~」をテーマにご講演いただきました。
さらに、サッカー元日本代表で、Jリーグ特任理事の小野 伸二 氏をお迎えし、浦和レッズ メディカルディレクター 仁賀 定雄 先生(JIN整形外科スポーツクリニック)、コンサドーレ札幌 チームドクター 笠原 靖彦 先生(新札幌整形外科病院)によるトークショーを実施。小野 伸二 氏には、トップアスリートとしての怪我や治療への向き合い方、日本人選手が海外で活躍するために必要なこと、現在の日本代表への想いなどを語っていただきました。
いずれのセッションも、医学・スポーツ・教育が交差する本総会ならではの内容となり、多くの参加者が熱心に耳を傾けていました。


SDGsの取り組み
ランチョン弁当でフードロス削減
ランチョンセミナーにおけるお弁当の手配・配布は、従来は共催企業ごとに個別にご対応いただいていましたが、前回から主催側が一括してお弁当を手配し、会場内の複数箇所に配布場所を設ける「中央管理配布方式」へと変更しています。
これにより、お弁当のフードロス削減や会場前の混雑緩和ができ、効率的で持続可能な学術総会の運営に取り組んでいます。
新たなコングレスグッズ「タンブラー」
前回に引き続き、本総会では「参加者にとって実用性が高く、SDGsにも配慮した記念品をお届けしたい」という思いから、従来のコングレスバッグに代えて、4種類のタンブラーを配布しました。多くの参加者から好評をいただいています。


誰もが立ち寄れるフォトスポットや展示コーナーで医療とSDGsを発信
多くの人が行き交う東京国際フォーラム「ガラス棟」地下エリアには、本総会のメインビジュアルを背景としたフォトスポットや休憩コーナーを設置しました。また、北海道大学病院 整形外科の歴史や、北海道大学発の整形外科に関する論文・取り組みの紹介に加え、同大学が開発した医療機器の展示や、本総会におけるSDGsの取り組みなどを紹介するコーナーも設け、一般の方も気軽に立ち寄れて医療を身近に感じていただけるよう工夫しました。


北海道の魅力を発信
「おもてなしコーナー」では、主催校の地元である北海道の銘菓を豊富に取り揃え、多くの参加者にお楽しみいただきました。

懇親会
会場の特性を生かした演出
初日の夜、東京国際フォーラムの地上広場にて懇親会を実施し、1,000名を超える参加者が集いました。
お昼時には多数のキッチンカーが並ぶことで知られるこの広場。懇親会においても、参加者が複数のキッチンカーから食事やドリンクを選べるスタイルにしました。
中央にはステージを設け、オープニングの鏡開きやDJによるパフォーマンスを行い、屋外ならではの開放的な雰囲気の中で大いに盛り上がるひとときとなりました。




参加型「太神楽」で海外招待者をおもてなし
3日目に実施した海外招待者ディナーでは、獅子舞や曲芸を組み合わせた日本の伝統芸能「太神楽」をお楽しみいただきました。演目の披露や海外招待者も演者となってチャレンジする姿に、会場は大きな歓声と拍手に包まれました。

親善スポーツ大会に「モルック」が仲間入り
日本整形外科学会はスポーツとの関係性が強いことから、会期中に野球やサッカーなどの親善スポーツ大会が開催されています。
今回は新たな競技種目としてモルックが加わりました。2024年8月、「モルック世界大会」が北海道函館市において日本で初めて開催され、大きな話題になったことから企画。モルックは、どなたでも気軽に楽しむことができる競技であり、第1回ながら多くの参加者で大盛況となりました。


担当者のコメント
私が日本整形外科学会学術総会を初めて担当させていただいたのは、2008年の第81回でした。そのときは、本総会の会長である岩崎先生(北海道大学大学院 医学研究院整形外科学教室 教授)の前任にあたる三浪 明男 先生が会長を務められました。日本整形外科学会の会員管理システム「会員ICカード」が学術総会に初めて導入された年で、参加者への新システム周知、ICカードによる入場チェック、単位取得による整列などの新たな対応が必要でした。
それから時が流れ、初めて「QRコード」が導入された今回、再び北海道大学整形外科学教室の教授が会長を務められることとなりました。岩崎先生とは「なんだかご縁を感じますね」とお話しし、万全の準備で当日を迎えることを共通の目標としました。
準備期間では、岩崎先生をはじめ主催校の先生方と当社メンバーが一丸となり、あらゆるトラブルを想定して協議を重ねて本番に臨みました。関係各所のご協力もいただき、当日は大きな混乱もなく無事に開催することができました。
前例のないものを、主催者の先生方に寄り添いながら創意工夫してつくり上げられたことは、我々運営メンバーにとって非常に貴重な経験となりました。このような節目の機会に運営事務局として参画させていただきましたこと、心より感謝申しあげます。
第98回日本整形外科学会学術総会
岩崎 倫政 会長のコメント
本学術総会では、テーマである「Lofty Ambition」を体現し、実践されている先生方のご講演を多数企画するなど、本テーマの具現化を目指しました。また、展示等を通じて随所に北海道大学らしさを感じていただけるようなアイデアや工夫も取り入れました。
約3年にわたる準備期間、そして会期中の運営において、コングレの皆さまには、私どもの構想や本学術総会のコンセプトを深くご理解いただき、その実現に向けて真摯にご対応いただきました。そのおかげで、我々主催校が目指していた学術総会を実現することができました。ここに、心より感謝申し上げます。とりわけ、定期的に開催してまいりました北大内およびWebでの打ち合わせに参加していただいた、三川さん(全体統括)、名倉さん(メインディレクター)、秋山さん(プログラム・演題)、山下さん(海外・接遇・参加登録)、木場さん(運営・企業展示・スポーツ・懇親会・映像)、八木さん(北大関係展示)、中島さん、永井さん、浅木さん(共催セミナー・関連会合・託児)には、期待を超えるご尽力をいただきましたことに、重ねて御礼申し上げます。
最後になりますが、北海道大学整形外科学教室・同門を代表し、コングレの皆さまの多大なご尽力に対し、心より深く感謝申し上げます。
