「第129回日本眼科学会総会」が開催されました

4月に入社した当社新入社員が初めてのコンベンション運営を経験

2025年4月17日~20日、「第129回日本眼科学会総会」が東京国際フォーラムで開催され、株式会社コングレは企画運営を担当しました。
公益財団法人日本眼科学会は、1897年(明治30年)設立の大変長い歴史を持つ学会で、現在の会員数は16,000人を超えています。第129回を迎え、ハイブリッドで開催された本総会には約10,470名が参加登録し、うち約5,800名が東京国際フォーラムの会場に集いました。海外からの参加者も約300名に上り、国内外の眼科医療関係者が一堂に会して熱気あふれる議論が行われました。
また、福地 健郎総会長(新潟大学大学院医歯学総合研究科眼科学分野 教授)ご承認のもと、4月にコングレに入社した新入社員が、医学系の学術集会の現場研修として、初めてコンベンション運営を経験しました。

第129回日本眼科学会総会 開会式
コングレの新入社員が現場研修で運営に参加

本総会のテーマ:科学は美しい Science has great beauty

本総会のテーマは「科学は美しい」です。このテーマは、ノーベル賞を2度受賞した史上初の女性、マリ・キュリー夫人の以下の言葉に由来しています。
I am among those who think that science has great beauty. A scientist in his laboratory is not only a technician: he is also a child placed before natural phenomena which impress him like a fairy tale."(私は、科学はとても美しいと思う者のひとりです。研究室にいる科学者というのは、ひとりの技術者であるだけでなく、目の前で起きている自然現象におとぎ話のように目を輝かせて感動している子どもでもあります。)

福地総会長は、このように述べられています。
「私は眼科の臨床と研究を通して、そのすばらしさ、美しさに魅了されてきた者のひとりです。その研究への興味、美しさに感動する心を大切にしたい、持ち続けようという想いをこのテーマに込めました。皆様にとっても、この日眼総会が眼科の臨床と研究の美しさとすばらしさを再認識する場、新しい気づきの場となってくれることを願っています」

本総会では、特別講演、招待講演、シンポジウム、若手眼科医による「The International Crosstalk Symposium by Young Ophthalmologists」などの多彩なセッションが実施されました。
また、特徴のひとつとして、国際化の進展があります。外国人参加者は300人と例年に比べて多く、英語によるセッションを増やして対応しています。

福地 健郎 総会長(新潟大学大学院医歯学総合研究科眼科学分野 教授)

展示会場にドライビングシミュレータを設置

展示会場では、眼科関連の医療機器メーカーや製薬企業のブースのほか、日本眼科学会総会として初めて「ドライビングシミュレータ」の体験コーナーを設けました。
このシミュレータは、視野障害のある方の運転リスクを評価するために、眼科医療機関の運転外来で使用されているものです。約5分間の直線コースで、赤信号や飛び出しなど視野障害によるリスクの高い場面を再現しています。運転外来では、眼科医や視能訓練士が視線の動きを記録・分析し、安全な運転に役立つ目の動かし方をアドバイスします。
本総会の参加者の皆さまが、この体験を通じて視野障害が運転に与える影響を実感し、今後の安全運転指導に活かしていただければと考えての企画です。


眼科関連の医療機器メーカーのブース
視野障害のある状態での運転を疑似体験できるドライビングシミュレータ

様々なおもてなし企画

主幹校の地元・新潟の魅力を発信

今回は、福地総会長の新潟大学大学院にちなみ、新潟の銘菓を「おもてなしコーナー」に取りそろえました。また、新潟の特産品を展示・販売する物産展を講演会場付近に設置し、銘酒などの新潟の魅力を感じられる機会を創出しました。

展示会場の「おもてなしコーナー」で新潟の銘菓を提供
講演会場付近の物産展で新潟の銘菓や銘酒を展示・販売

参加者も一般市民も楽しめるフォトブース

多くの一般市民が行き交う東京国際フォーラム「ガラス棟」地下エリアに、本総会のメインビジュアルを背景としたフォトブースを設置しました。本総会を視覚的に盛り上げる施策として、参加者のみならず一般市民にもご利用いただき、学会の存在を広く発信する場となりました。外国人参加者や若手参加者をはじめ、幅広い層の方々に人気のスポットになりました。
フォトブースは2種類あり、そのうち1つはクロマキー合成に対応しています。緑色の背景で撮影された画像は、本総会の象徴的なビジュアルと合成され、ユニークな記念写真になります。

東京国際フォーラム「ガラス棟」地下エリアに設けたフォトブース

日常使いできるバッグ

参加者に配布する「コングレスバッグ」は、保冷バッグ、ポーチ付きバッグ、エコバッグの3種類を、それぞれ色違いでご用意しました。総会終了後も日常的に使いやすいデザインにこだわったこともあり、いずれのバッグも大変ご好評をいただきました。

親子参加に寄り添う会場づくり

また、2児の母でもある当社社員の発案により、会場内に設置する託児所をゆとりのある広さにし、親子が安心して参加できるコンベンションを目指しました。

4種類のコングレスバッグを用意
会場内の広いスペースを託児所として活用

会場の特性を最大限に活用した企業広告

本総会では、会場となった東京国際フォーラム全体を活用して協賛企業の広告を掲出しました。「ガラス棟」の側面や「地上広場」に点在する計9本の照明ポールなど、設置可能なすべての広告スペースを用いて、本総会の来場者をはじめ一般市民の目にも留まりやすい形で情報発信を行いました。

東京国際フォーラム「ガラス棟」の側面に広告バナーを設置
東京国際フォーラム「地上広場」照明ポールに広告パネルを設置

新入社員がコンベンション運営を初めて経験

4月に当社に入社したばかりの新入社員にとって、今回は初めてのコンベンション運営の機会となりました。運営メンバーへの参加について、福地総会長に快くご承諾いただき、現場での育成の機会が実現しました。
新入社員は、当日を迎える前に人事部から注意事項や心構えなどの説明を受け、会場での「ディレクターオリエンテーション」および「スタッフオリエンテーション」において、自分たちの役割をしっかり把握した上で参加し、現場でノウハウを学ばせていただきました。

運営事務局にてディレクターオリエンテーションに参加
メイン会場で行ったスタッフオリエンテーション

当日は会場の進行役として、講演者へ残りの発表時間のご案内、ステージ転換、会場内の聴講者数のカウントなどの業務を担当しました。現場で運営に直接関わることで、進行のやり方や雰囲気を体感し、貴重な経験を積むことができました。
福地総会長をはじめ、ご関係の皆さまにはご協力いただき、心から感謝申しあげます。

会場ディレクターの指示を書き留める新入社員
次回のプログラム編成に重要な"聴講者数"を講演ごとにカウントし記録

担当者のコメント

当社が長年担当させていただいている日本眼科学会において、提案から運営まで「コングレに任せておけば安心」と思っていただけるよう、チーム一丸となって取り組みました。
福地先生の温かいご配慮のおかげで、会期中は協賛企業の皆さまとも活発に意見交換を行い、進化する学会運営を共に目指すことができたと感じています。
特に印象的だったことは、海外参加者の多さです。国際学会のような空気が漂い、日本の眼科医療の力を世界に向けて発信する貴重な機会となりました。
当社が掲げる "未来が生まれる、「場」をつくる。" ということを、まさに体現できるのがこの学会だと思っています。全国の先生方と再会し、共に学会を支える喜びを感じることができ、私自身にとっても今後の取り組みへの大きな原動力となりました。やっぱり眼科って、最高です!

第129回日本眼科学会総会
福地 健郎 総会長のコメント

毎年、眼科では春の日本眼科学会総会(以下、日眼総会)と秋の日本臨床眼科学会という2つの大きな総合学会が行われています。いずれもオンラインを併用するようになってから参加登録者が10,000人を超える大学会になりました。今回、私たちはコングレさんと共に第129回日眼総会を担当させていただきました。
コングレさんとは、以前に新潟で行った専門学会を主催した際に運営事務局をお願いしたご縁があり、また、昨年、一昨年の日眼総会の担当もされたことから、3年前に私たちがこの学会を開催することが決まった当初からお願いしようと考えていました。さすがに10,000人を超える参加者の大学会はプログラムも予算規模も桁外れで、運営に携わる皆さんの強力なサポートがあったからこそ、盛会のうちに現地開催を終了することができたのは間違いありません。
やはり、一緒に仕事をさせていただいて非常に心地が良かったのは、指示や質問は適切かつ適確、こちらからからお願いした要望に対しての対応はスピーディでした。今回の日眼総会では、各方面からの意見をできるだけ取り入れて、様々なことを試みようというのもひとつの方針でした。幅広い領域のイベントや学会の運営経験から、様々な提案をしていただき、大変にありがたく思っています。
加えて、当日の運営は盤石で、この点もさすがと思いました。おかげで私たちは学会そのものに専念することができ、参加の皆様と共に学会で学び、学会を楽しむことができました。
新卒の若い社員の中には、今回の学会が初めての現場という方も多くおられたと聞いています。いずれの方も適確に、丁寧に、学会運営に携わっておられました。
長年、様々な学術集会に参加して思うことですが、こういう学会を通じて科学や学問は進歩していきます。コングレの皆さんは、そのお手伝いをしてくれており、世の中にとって大変に重要な役割を果たしていると言ってよいと思います。本学術集会にご参加いただいた皆さま、会場などご協力いただいた皆さまに心から感謝申しあげます。

主催者の皆さまとコングレメンバーの合同オリエンテーション