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医学系の学会で初の試み!「日本人類遺伝学会第67回大会」で外出困難者が遠隔操作の「分身ロボットカフェ」サービスを提供
コンベンション
2023.01.26

医学系の学会で初の試み!「日本人類遺伝学会第67回大会」で外出困難者が遠隔操作の「分身ロボットカフェ」サービスを提供

2022年12月14~17日、「日本人類遺伝学会第67回大会」がパシフィコ横浜 会議センターで開催され、株式会社コングレは運営を担当しました。本大会では、大会長である左合 治彦先生(国立成育医療研究センター 副院長/周産期・母性診療センター長/遺伝診療センター長)の「参加者に多様性を感じてほしい」との想いから、身体が不自由などの理由で外出が困難な方が分身ロボット「OriHime」を遠隔操作し、カフェでサービスを提供する「分身ロボットカフェ@JSHG2022」を会場に設けました。これは、東京・日本橋にある『分身ロボットカフェ DAWN(ドーン) ver.β』(運営:株式会社オリィ研究所)の出張カフェであり、医学系学会では初の試みです。

本大会のテーマは「Back to Basics!」です。
大会長の左合先生は、会長講演・開会式で、テーマについて以下のように説明されています。
近年、遺伝医学は飛躍的な進歩を遂げ、疾患原因や病態の解明にとどまらず、体質や素因などに関わる多様性の解明、種々のゲノム解析技術の開発、ゲノム解析を用いた新しい臨床検査技術など、輝かしい成果が次々ともたらされています。大きな恩恵をもたらしている一方で、あまりに進歩の早いゲノム科学の潮流にのまれ、研究や医療の原点や本質が見失われそうになることが懸念されます。そこで本大会のテーマは「Back to Basics!」とさせていただきました。ゲノム医学、人類遺伝学における研究や医療の原点に返り、その本質をもう一度深く考える契機となる大会とし、本学会およびゲノム科学のさらなる発展を目指したいと考えております。

「分身ロボットカフェ@JSHG2022」で多様性が広がる学会を実現

学会の開催期間中、「分身ロボットカフェ@JSHG2022」では、日本橋の『分身ロボットカフェ DAWN(ドーン) ver.β』と同様に、身体が不自由な方が遠隔操作ロボット「OriHime」を操作して接客を行い、資料やドリンクの配膳、そしてカフェへの呼び込みも行いました。カフェには172組261名もの来場者があり、大盛況に終わりました。
コンベンションが開催される会場では、参加者が講演などのプログラムで知見を深めることはもちろん、同じ分野の研究に携わる参加者同士が交流できることも大きな意義を持ちます。本大会では、コーヒーを飲みながらコミュニケーションを取ったり寛いだりできる場として、このようなカフェを設けました。多くの参加者が、多様性を感じながら旧交を温めることができたのではないかと思います。

本大会へのカフェ導入案は、大会長 左合先生の”様々な分野の方々と交流できる大会にしたい””良質な驚きと多様性の実感が得られる大会にしたい”という想いから生まれました。

左合先生が副院長を務める国立成育医療研究センターには、治療が終了した後も医療的ケアを必要とする子どもとその家族を支える医療型短期入所施設「もみじの家」があります。重い病気を持ち、自宅でのケアが必要な子どもを短期間受け入れ、子どもたちが遊んだり学んだりして、子どもらしい生活ができる空間です。病気による制約があっても社会や地域と関わることができるよう、ボランティアや障害者雇用を積極的に取り入れています。

左合先生は、「もみじの家」のご担当者様と立ち話をする中でカフェの導入を検討され、当社へご相談いただきました。そこで、PCO(Professional Congress Organizer)として先生の想いを形にするべく、カフェの設置に向けて準備を進めました。日本橋のカフェに足を運び実際にロボットや仕様を確かめ、設置するロボットの種類、数、役割、そしてカフェの会場や席数などを、株式会社オリィ研究所や「もみじの家」ご担当者様と打ち合わせを重ねながら検討しました。今回の取り組みによって、主催者にも参加者にもご満足いただき、このような形で社会貢献に繋がる仕事ができたことに喜びを感じています。

コングレはサステナビリティの重要課題(マテリアリティ)の1つに「MICEの場の創造を通じた社会課題解決の支援」を掲げ、主催者との共創による啓発活動の推進などに取り組んでいます。
今後も、PCOとして主催者の想いを形にしながら、SDGsの掲げる「誰一人として取り残さない」社会の実現に貢献します。