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ウィズコロナ時代の文化交流イベント―オンライン配信も取り入れながら新たなスタイルを模索する

ウィズコロナ時代の文化交流イベント―オンライン配信も取り入れながら新たなスタイルを模索する

新型コロナウイルスによる影響が長期化する中で、生活様式も大きく変化し、イベントや文化芸術活動の新しい在り方が模索されています。ウィズコロナ時代の安全な再開に向けて、コングレの管理・運営するホールや科学館などの集客施設でも、試行錯誤しながら、新たな道を創造する試みが続いています。今回は、コングレの各施設におけるウィズコロナ時代の新たな取り組みを紹介します。

LIVE配信で学びを止めない―はまぎん こども宇宙科学館での取り組み

コングレが指定管理者として管理運営を担当している「はまぎん こども宇宙科学館(横浜こども科学館)」(横浜市磯子区)では、プラネタリウムを会場として開催していた大好評イベント「はまぎんキッズ・サイエンス トークイベント」をYouTubeのLIVE配信で実施しました。本来であれば4月からの開催であった同イベント。LIVE配信環境を整え、6月から配信を開始。全8回のイベントを通して、はやぶさ2の小惑星リュウグウ探査ミッションの詳細や地球帰還の舞台裏を、JAXAで実際にミッションに携わる専門家からご紹介いただきました。

配信は、同科学館スタッフにとっても全く初めての試みで試行錯誤の連続でしたが、オンライン配信としたことで、全国からご参加いただけるようになりました。また、コメント投稿機能が生配信中の講師との質疑応答を可能にし、非常にインタラクティブなイベントとなりました。配信映像は、現在もアーカイブ視聴可能。コロナ禍で急遽始めたオンライン配信ですが、新しい学びのスタイルとして定着しつつあります。

培った配信ノウハウでさらなる新イベントを企画・開催―「はまぎんキッズ・サイエンスNEO 館長室へようこそ!」

配信のノウハウを活かして、新企画として、オンライン対談企画「はまぎんキッズ・サイエンスNEO 館長室へようこそ」を9月から開始。各界の第一線で活躍する講師をお招きし、館長と対談いただく企画で、子どもたちの将来を考えるヒントとしていただく試みです。第2回目には、将棋界のレジェンドである羽生 善治氏も登場。将棋のお話や、子どもの頃のエピソードなど、大好評をいただきました。

オンライン配信とリアル開催と融合して―冬休み特別企画展「おかえり!はやぶさ2」開催

12月19日からは、科学館内で、冬休み特別企画展「おかえり!はやぶさ2」を開催しています。12月6日の、はやぶさ2のサンプルカプセルの地球帰還成功を受けて、リアルでの開催を決定した本イベント。トークイベント映像も活用しながら、はやぶさ2の1/2模型や、映像コーナー、成し遂げた「7つの世界初」の解説などを通して、はやぶさ2を徹底解説しています。会場内では、感染防止策を講じて、関連のワークショップも開催しています。コロナ禍でも、子どもたちがより楽しんで科学に関心を持ち、未来を広げる機会を増やしてほしい、との思いで取り組んだオンライン配信ですが、リアル展示とオンラインの相乗効果で、学びの場のさらなる拡充につながっています。

無料配信ミュージカルコンサートを開催―ウェスタ川越での取り組み

株式会社コングレが指定管理者NeCSTの構成企業として管理運営する「ウェスタ川越」(埼玉県川越市)では、2020年10月31日(土)に無料配信のミュージカルコンサート「Music of the Musical in ウェスタ川越」を自主事業として開催しました。

ウェスタ川越は、約1,700名を収容できる大ホールを要する複合拠点施設です。新型コロナウイルスの影響で、4月には大ホールで予定していた年内すべての主催公演の中止が決定していました。再開を目指す中で、新たな形として挑戦したのが、今回の無料配信ライブです。舞台上でも距離を確保できるよう少人数で公演でき、かつ多くの方に興味・関心を持っていただける演目を、ということでミュージカルソングコンサートとし、入場者を通常の50%以下とした来場鑑賞とLIVE配信を組み合わせたハイブリッド形式で開催しました。
通常よりも短い準備期間で、来場者・出演者・関係者に対する感染防止対策を講じながら、配信システムの選定、機材設置、告知案内などの準備を進めました。直前の感染状況の再拡大や、当日の思わぬ回線トラブルなどもあり、臨機応変な対応が求められましたが、コメント欄では、「無料で申し訳ないくらいの内容だった」「オンラインでも臨場感があった」など高く評価いただきました。今回新たなチャレンジとして、オンラインのギフティングシステム(投げ銭)を導入しましたが、「この内容であれば、もっと(高額の)ギフティングをしたかった」という好意的な声もお寄せいただき、新しい取り組みのよい先行事例となりました。

コンサートの開催で出演機会を創出—関係者の方々の支援にも

今回のコンサートは、コロナ禍での興行の方法や仕組みを模索し、自らが事例を創ることで、次の興行につながれば、との思いで自主企画として開催させていただきました。今回の気づきを活かしながら、新しいエンターテイメントの形の提案につなげられればと思います。また、今回のコンサートでは、注目の若手ミュージカル俳優の方々にご出演いただきましたが、コロナ禍のキャンセルで、このコンサートが久しぶりの舞台、という方もいらっしゃいました。文化・芸術関係者の皆さまも、相次ぐキャンセルで非常に困難な時期かと思います。このご縁が、次代の芸術文化の継承に繋がっていけば、うれしい限りです。

 

吹奏楽の聖地からエールを―名古屋国際会議場での取り組み

コングレと公益財団法人名古屋観光コンベンションビューローが指定管理者として管理運営する名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)では、2020年10月25日(日)に「吹奏楽エールコンサート2020」をLIVE配信しました。吹奏楽の聖地として知られる「名古屋国際会議場 センチュリーホール」に、全国大会の強豪5校が集結。共に吹奏楽に青春をかける全国の仲間たちに向けて、演奏を通してエールを送りました。

名古屋国際会議場は、2012年に「全日本吹奏楽コンクール」の中学校、高校部門の会場として選定されて以来、吹奏楽に打ち込む中高生に「聖地」と呼ばれる、憧れの舞台となっています。今年は感染拡大により吹奏楽のさまざまな大会が中止に。「一生懸命練習に打ち込んできた生徒たちがひどく落ち込んでいる」という声が多く聞こえてきました。「吹奏楽エールコンサート2020」は、このような中高生たちを何とか支援できないか、という思いから企画をスタート。コロナ禍がなければ全日本吹奏楽コンクールが開催されるはずだった10月25日に、会場になるはずだった「吹奏楽の聖地」センチュリーホールから、全国の吹奏楽に取り組む中高生たちに、吹奏楽の仲間達に、そしてファンの皆さまに向けてエールを送る吹奏楽コンサートとして、主催しました。

新たに幕開けたウィズコロナ時代における吹奏楽イベントの形を―運営方法を探る試み

今回は、吹奏楽の強豪校として名を馳せる5つの高等学校にご参加いただきました。午前・午後の部に分けて入れ替え制とした関係者・保護者限定の来場鑑賞と、YouTubeでの無料ライブ配信のハイブリットで開催。演奏する皆様、来場者の皆様に安全に参加いただくため、国際会議場スタッフと出演校の関係者で実行委員会を構成し、安全な運営方法について議論を重ねました。実行委員会では、感染拡大防止の措置をすべてマニュアル化。奏者間の距離を厳密に定めることで、舞台上、舞台袖、楽屋、通路に至るまで全てのエリアの定員数を定め、各校にはこの定員数を勘案した演目や編成を考えていただきました。また、奏者の入れ替えの際にも密が発生しないよう、運営も工夫しました。

当日の配信視聴者数は、午前の部・午後の部あわせて7,500名を超え、会場の関係者観覧数、出演者数を合計すると、”1万人”の吹奏楽エールコンサート2020となりました。ご要望にお応えする形でアーカイブ配信を開始。既に5万回再生(2020年12月現在)を超え、多くの温かいコメントをいただいています。今回の運営については、マニュアル通り対応できたか、トラブルがなかったか、などを細かくチェックする専属チームを編成し、効果を測定しています。球児にとっての甲子園のように、吹奏楽を志す若者たちの「聖地」から全国にエールを送る、という目的で開催した本イベントですが、同時にウィズコロナ時代に吹奏楽を再開するための指針となるべく体制を整え開催しました。今回の安全な開催方法の模索と検証が、ウィズコロナ時代のコンサートのニューノーマルとして確立され、次の開催につながる道しるべになれば、と思います。

全国で多種多様な施設が、舞台上や客席の安全を確保しつつ、芸術や学びの火を消さないためにどうするか、試行錯誤を繰り返しています。ウィズコロナでは社会経済の変化とともに、新たな価値観が生まれています。コロナによって、人が同じ場所に集まり、対面で交流することが難しくなりましたが、こういう時こそ、交流の「場」を創造し、そこでの交流促進を生業にしてきた私たちだからこそできる、新たなカタチの模索と推進が求められるのではないでしょうか。コングレはこれからも、様々な新しい価値観を取り入れながら、地域や人々の交流機会、学ぶ機会の創出に取り組んでまいります。