Menu
トップページ > THINK Hub >
日本初の本格エアポート・シティの交流施設として―コングレスクエア羽田が本格始動

インタビュー

日本初の本格エアポート・シティの交流施設として―コングレスクエア羽田が本格始動

羽田空港の旧ターミナル跡地に、「羽田イノベーションシティ(HANEDA INNOVATION CITY)」が7月3日に開業しました。HICityは、先端産業と文化事業の融合をコンセプトとした、 商業 ・ オフィスなどからなる大規模複合施設で、世界のハブ空港を目指し開発が進む羽田空港に隣接。日本初の本格エアポート・シティとして、研究者、クリエーター、国内外からの観光客や来街者など、多種多様な人々が集い、互いに刺激しあうことで新たな価値を創造し、地域との連携を通じて新しい羽田ブランドの構築を目指します。コングレはここに、最大620人収容できる多目的ホール等をもつ「コングレスクエア羽田」を開業させました。新しいまちの交流施設として、国際会議や展示会、企業の研修需要などを創出し、MICEを促進することで地域振興の一助となることを目指します。今回は、コングレスクエア羽田の開業までの経緯や施設の特徴、Withコロナ時代における施設の目指す姿などを担当者に聞きました。

対談者:

施設・人材サービス事業本部
近藤 慎(KONDO Shin)・吉田 光(YOSHIDA Hikaru)・齋藤 里咲(SAITO Risa)

インタビュアー:まずは、皆さんの簡単な自己紹介と、コングレスクエア羽田について、開業までの経緯やその特徴などを教えてください。

近藤:私は、施設・人材サービス事業本部でMICE施設の開発を担当しています。コングレスクエア羽田のプロジェクトには、2017年頃から参画してきました。コングレスクエア羽田は、天空橋駅(京浜急行電鉄・東京モノレール)に直結する大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」(以下HICity)内に位置しています。HICityは、羽田みらい開発株式会社と大田区が官民連携で開発する、「先端」と「文化」の2つをコア産業とするまちで、モビリティ、健康医療、ロボティクスなどの「先端」産業と食、音楽、観光などの多彩な日本文化を発信する「文化」事業の交流・融合を推進して、新しい価値の創造を目指しています。コングレスクエア羽田は、この新しいまちの交流を支える会議・研修センターとしてHICityの開業と同じ7月3日に業務を開始しました。

近藤:2018年頃から定例会議などでコンセプトや設計方針などの打合せを重ね、2019年秋からは現場事務所で調整をすすめました。現場事務所に来るたびに、少しずつ完成形に近づいていく建物を見るのが楽しみでした。ようやく形が出来上がった、と思った頃から新型コロナウィルスの感染拡大で打合せができなくなり、最終段階の細部の調整はオンラインで進めました。そのほかにもさまざまな影響がありましたが、関係するサプライヤーの皆様やすべての関係者様のご協力のおかげで、なんとか7月3日の開業に間に合いました。設計・施工の大和ハウス工業様はじめ協力いただいた皆様には感謝しかありません。

吉田:私は、コングレスクエア日本橋での営業を経て、羽田ではマネージャーとして商品開発や営業を担当しています。コロナの影響もありましたが、まずは無事に開業できて安堵しています。コングレスクエア羽田は、620人収容可能な多機能ホールと5つのカンファレンスルーム、控室などをワンフロアに配置していて、非常に小回りのきく、使い勝手のよい施設になったと思います。ホールはもちろん分割利用可能ですし、天井高もしっかりあり、スクリーンやプロジェクターもコングレスタンダードでハイスペックなものを取りそろえました。ラウンジの大きな窓から見える緑地はとても解放感があり、コングレスクエア日本橋など、都市型のMICE施設にはない眺望だと思います。飛行機も見えますよ。また、上層階のホテルと連携すれば宿泊研修にも最適で、これまでにはない新しいニーズやビジネスの掘り起こしにつながるのではないかと期待しています。

齋藤: 私は、新卒で入社してすぐにこのプロジェクトに携わらせていただきました。実は、企画段階から関わらせていただいた施設で実際に営業を開始したのは、このコングレスクエア羽田が初めてでした。図面で見ていた施設が現実のものとして立ち上がり、そこに備品が入って、事務所ができて、運用を開始する。この一連の流れをすべて経験させていただいた初の施設でしたので、開業は大変感慨深いものでした!
立ち上げに際しては、内装の細かい調整やサイン計画、照明や映像機材などを含む備品の選定・調達などを担当していたのですが、最終段階で現場が見られないというのはいろいろ大変でした。オンラインだと、カーペットや壁紙なども細部のイメージが難しくて。また、コロナで物流が滞り、備品の納期が遅れたり、代替品を手配したりなどの調整も発生しました。入手できない輸入パーツを別のものに変えるなど、開業に間に合わせるためにサプライヤーの皆様が本当にいろいろ調整・手配してくださいました。皆様の想いというかプロ意識に触れさせていただき、そういう意味でも思い入れのある施設になりました!

齋藤:HICityは、全く新しいコンセプトのまちで、とてもワクワクしています。吉田さんも言っていた、飛行機の離着陸の様子も本当によく見えて、臨場感がすごいんです。それだけでもユニークベニュー的にお使いいただけるのではないかと思います。HICityは、多彩な日本「文化」の発信もコンセプトなので、各建物を結ぶイノベーションコリドーには、日本庭園のような植栽があったり、花札の絵柄を使ったデザインがあしらわれていたり、まち全体からモダンな日本文化が感じられます。今後の施設PRの機会を通じて、こういったまちの魅力も施設を利用される方々にぜひ伝えていけたらな、と思っています。

インタビュアー:確かにHICityは、非常に特徴的でワクワクする施設ですね。コロナで延期されたオープニングイベントが9月に開催されるとのことですが、コングレスクエア羽田の今後の目標や方向性を教えてください。

齋藤:私は、まずは9月に開催が決まったオープニングイベントが楽しみです!このような面白い施設なのになかなか皆様に知っていただく企画等ができず、少し寂しく思っていました。MICE施設は、そこで人々のコミュニケーションを生むことに意味があると思っているので、ぜひ皆様にHICityやコングレスクエア羽田にお越しいただいて、楽しんでいただいて、これからいろいろな交流の中心になっていければと思っています。また、MICEだけでなく、ロケ、メディアの誘致にも力を入れていきたいと思っています。

吉田:HICityには、先端モビリティセンターに、自動運転技術等の開発・実証を行う(株)デンソー様をはじめ、研究開発拠点には先端産業に携わる様々な企業のオフィスが入ると聞いています。また、3,000名規模のイベントに対応するLIVEホール「Zepp Haneda(TOKYO) 」、デジタルアート等を活用して日本文化を世界に発信する体験型商業施設、アート&テクノロジーセンター などが順次開設されています。まずは、まちの連携を推進して、入居されている企業の皆様に使用していだくこと、宿泊施設と連携した宿泊研修の誘致などを進めていきたいと思っています。また、まちの中での連携を推進することで、新たな地域の価値の創造につながればと思っています。

近藤:「連携」という点では、長くこのプロジェクトに携わらせていただいたおかげで、本当にいろいろな方と交流させていただきました。今後、さらなる企業や団体の参画が進めば、多様な連携が可能になると思います。2021年には、対岸の川崎に橋がつながり交通の便がさらに良くなり、また、2022年には2期工事として先端医療研究センターなども開設されると聞いています。様々なビジネス領域の方にうまく使っていただき、このエリアの発信拠点としていろいろな役割を担っていければと思っています。

インタビュアー:イベント開催については、感染拡大防止の十分な対策が必要ですが、コングレスクエア羽田の、Withコロナ時代のニューノーマル(新たな生活様式)に対応した取り組みなどを教えてください。

吉田:実は、コングレスクエア羽田は、設備的にも、ニューノーマルに対応していると思っています。例えば、先ほどご紹介したホールやルームは、会場間で中継や配信ができるシステムを導入しています。密を避ける取り組みとして、今後需要の拡大が見込まれるサテライト中継や、Web配信などのニーズにもマッチしていると思います。また、パントリーが大きいのも特徴的です。広いのでコロナ対策の個食ケータリングなどの対応が比較的容易にできます。実は、年内は開業記念の室料30%オフのキャンペーンもやっていまして、ソーシャルディスタンスに配慮したより広いお部屋のご利用もしやすい設定にさせていただいております。もちろん、安心・安全なMICE開催にむけて、検温、消毒などの取り組みもしています。まずは、安心してイベントを開いてもらえる環境づくりをしっかりやり、皆様に広くご利用いただける施設になっていければと思っています。

インタビュアー:ありがとうございました。