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MICEの早期再開を目指して―「MICEフューチャー・アクション~新たな日本のMICEショーケース」での取り組み

レポート

MICEの早期再開を目指して―「MICEフューチャー・アクション~新たな日本のMICEショーケース」での取り組み

7月24日(金・祝)、「MICEフューチャー・アクション~新たな日本のMICEショーケース」が全国各地で一斉に開催されました。これに先立ち7月22日、大阪、名古屋で先行のMICE(※)が開催されています。これらは、コロナ禍における「安心安全なMICE」を考えるイベントで、各会場が新型コロナウイルス感染予防ガイドラインに沿った運営を実証し、披露することで、ウィズ・コロナ時代のMICE開催を推進する日本初の取り組みです。今回は、「MICEフューチャー・アクション~新たな日本のMICEショーケース」でのコングレの取り組みを通じて、MICE業界が進める「新しい生活様式」を取り入れた新たなMICEのカタチをレポートします。

※ MICEとは、Meeting(会議・研修)、Incentive travel(報奨旅行)、Convention(国際会議・学会)、ExhibitionまたはEvent(展示会・イベント)の総称

「MICEフューチャー・アクション~新たな日本のMICEショーケース」の取り組みに参画

「MICEフューチャー・アクション~新たな日本のMICEショーケース」は、全国各地の MICE 関係者(PCO、施設、自治体、コンベンションビューロー等)が新型コロナウイルス感染予防ガイドラインを実践し、実証の場とすることで、ウィズ・コロナの時代の安心安全なMICE運営を国内外にアピールし「ショーケース」とする取り組みで、MICEの誘致や開催の早期回復を目指して実施されました。日本コンベンション研究会が呼びかけ人となり、7月22日・24日の両日で、全国14都市(札幌、仙台、新潟、つくば、東京、静岡県東部地域、名古屋、愛知、富山、大阪、堺~大阪、岡山、松山、沖縄(8月21日にも実施予定))で開催。コングレは、この企画趣旨に賛同し参画。指定管理者として管理・運営する名古屋国際会議場および、大阪のナレッジキャピタル コングレコンベンションセンターでの連動イベントの開催に全面的に協力させていただきました。

名古屋国際会議場で「ウィズ・コロナ時代のMICEを考えるin名古屋」を開催

コングレと(公財)名古屋観光コンベンションビューロー(NCVB)が指定管理者として管理・運営する名古屋国際会議場では、7月22日に「ウィズ・コロナ時代のMICEを考えるin名古屋」(主催:NCVB/共催:名古屋市/協力:名古屋国際会議場)が開催されました。地元のMICE関係者が集い、課題・アイデアを共有することで、MICEの早期再開の支援を目指したものです。

当日は、NCVBの杉﨑正美理事長、河村たかし名古屋市長のご挨拶で始まり、「MICEにおける感染症対策の注意点」を、名古屋市健康福祉局の浅井清文医監にご講演いただきました。また、開催地名古屋のMICE関係者の6名によるパネルディスカッションを開催。「MICE開催における安全・安心の確保」をテーマに、開催地元、コンベンション業界、ホテル、会議場など、それぞれの立場から、現在取り組んでいる感染予防対策などを披露。「新しい生活様式」における感染予防対策の事例やアイデアが共有されました。

また、会場内の交流ゾーンでは、感染防止対策商品や、オンライン開催を支援するバーチャルイベントシステムなど、MICE開催時の感染拡大防止に役立つ新商品を展示。新たな生活様式でのMICE開催を支援するソリューションとして注目を集めました。当日は会場、オンライン参加を合わせて、当初の予定を大きく上回る400名を超えるMICE関係者に参加いただきました。

会場ではガイドラインに沿った感染予防対策を実践―新たなMICEのカタチを体験いただく機会に

会場では、5月26日に発表された「名古屋国際会議場における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」に沿って、さまざまな感染予防策が実践されました。会場での対策内容は、名古屋国際会議場企画営業グループマネージャーの丹羽礼子がパネルディスカッションに登壇し、詳細を解説。ガイドラインを遵守した運営手法事例として、計画段階から当日運営までの工程や工夫などを実践的にご紹介しました。ご参加いただいたMICE関係者からは、「ガイドラインに沿ったMICE開催は不可能ではないと分かった」など、再開に前向きなコメントも多くいただきました。

交流ゾーンではケータリングの新たなカタチの提案も

飲食を伴うパーティーや懇親会などの交流の場はMICEの重要な要素の一つですが、感染リスクの高さから、開催のハードルが高くなっているのが実情です。この状況を踏まえて、会場内では、展示エリアのほか、飲食可能な交流ゾーンも設け、MICEにおけるウィズ・コロナ時代の飲食提供のカタチも提案させていただきました。ケータリングフードには、非接触・飛沫感染防止を目的に、個別包装のカップフード(フタ付き)を用意。提供方法にも細心の注意を払いました。交流ゾーンに設置した飲食可能なカウンターはスタンドタイプとし、中心に透明な飛沫拡散防止シートを設置。対面して飲食しながらでも交流いただける事例としてデモンストレーションしました。

ウィズ・コロナ時代の安心安全なMICE運営手法の確立に向けて―感染防止策に誠実に取り組む

当日運営における感染予防策や、交流ゾーンの取り組みについては、ご講演いただいた名古屋市健康福祉局の浅井医監に、準備段階からご相談させていただきながら、開催計画への落とし込みを進めました。浅井医監は、昨年4月に名古屋国際会議場をメイン会場に開催された国内最大級のコンベンション「第30回日本医学会総会2019中部」の広報委員長を務められコングレも名古屋国際会議場も大変お世話になりました。当日は主催者の目線と医療分野の専門家の目線、両側から設営後の最終チェックもしていただき、徹底した感染対策を行うことができました。「これくらいならいいだろう、大丈夫だろう、という気のゆるみや過信が感染拡大を引き起こす。」浅井医監がご講演の中で、そう注意を喚起されていたのが印象的でした。私たちも、MICEに携わる者として、感染拡大防止に真摯に向き合い、1つ1つ確実に対策を進めていくことの重要性を再認識する機会となりました。

7月24日には全国の会場がつながってMICEをアピール―MICEの新しいカタチに挑む

大阪でも同日にナレッジキャピタル コングレコンベンションセンターにおいて、『MICEビジネス・アライアンス 特別セミナー「~大阪からMICEを再始動~MICEにおける感染症対策のポイント」』(主催:大阪観光局)が開催されました。7月に策定された「感染症拡大のリスクを抑え、MICEを開催するための主催者向けガイドライン」の狙いなどが、大阪観光局・田中嘉一MICE政策統括官より紹介され、ガイドラインを監修された感染症専門の加瀬哲男先生より、感染症対策についての講演が行われました。コングレコンベンションセンターでも、ガイドラインに基づいた感染症対策を実践し、150名を超える参加者の皆様をお迎えしました。(詳細はこちら)そして、7月24日には、東京会場をメインに、同日に開催されていた各都市をつなぎ、名古屋、大阪をはじめとする各会場の取り組みや様子などがオンライン・リレー形式で配信されました。各地を結んだ交流会も一部で開催され、全国のMICE関係者が一丸となり、ウィズ・コロナ時代のMICEの新しいカタチに挑む機運醸成に資する取り組みとなりました。

「MICEフューチャー・アクション~新たな日本のMICEショーケース」は、各地の各会場それぞれが積極的に新型コロナウイルス感染予防ガイドライン策定に取り組み、それに沿って運営する、というまさに安心安全なMICEの確立のための実証実験となる試みでした。MICE開催における感染拡大防止の取り組みは、試行錯誤と創意工夫の連続ですが、何よりも参加者、主催者、運営に携わるスタッフ、そして関係するすべての皆様の安全を第一に、安心していただける手法を確立することが大切だと思っております。入念な感染予防策を講じた、安全なMICEの開催を重ねることが、次のMICE開催を呼び起こす最大のエンジンになる。コングレは、安心いただけるMICEの開催を通じて、やがて来る「ポスト・コロナ」の時代の業界のさらなる発展に寄与してまいります。